現在、全国に24店舗の系列店を展開する株式会社晴れる屋。2023年4月の時点で社員アルバイト合わせて562名のスタッフが働いていますが、通販部門とIT部門の責任者を任されているのが、平林 和哉さんです。(※2023年4月21日現在)

今回の「Leader’s Pick Up」は、晴れる屋の屋台骨ともいえる通販部門の責任者である平林さんにインタビューしました。

効率化を形に

――本日はよろしくお願いします。まずは平林さんが担当されている業務を教えてください。

平林「主に晴れる屋のバックオフィス部門全般に関わっています。具体的には通販とIT両チームの責任者、カスタマーサポートや晴れる屋2のwebマーケティングなどです。特に通販業務は晴れる屋の生命線。お客様の元へ商品をお届けする大切な業務であり、過不足なく予定通りに出荷できているか気を配っています

――さまざまな部署を兼任されているのですね。前職やこれまでの経験などが活きた部分があったのでしょうか?

平林「業務的に直接活きる経験があったわけではないですね。それこそIT部門は素人で入りましたし、技術力に関してはいまだに最下位でしょう。体制設計やコスト管理、チームとしての目標実現などは働きながら学んだ点が大きく影響していますが、本来何かにつけて自分で考えて仕切る形が性に合ってます。業務ひとつとっても効率化が図れないかと常々考えながら実践してきたのが活きているのかもしれません」

なぜ晴れる屋へ?

──平林さんはアルバイトとして入社されたそうですが、どういった理由で晴れる屋に応募したのでしょうか?

平林「知人であった高桑さん(現Sekappy CEO)に『晴れる屋トーナメントセンターができるから手伝いに来ないか』と誘われました。当時は旧店舗からの移行期で、人材が大量に必要だったんだと思います。自分がこれまで付き合ってきたゲームが仕事になると聞いて関心が向き、当時住んでいた福岡から飛び出すかたちで入社しました」

──入社時点で今の晴れる屋は想像できましたか?

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平林「想像できた人がいたらすごいと思います(笑)当時は高田馬場1店舗だけとはいえ、 300人規模のプレイスペースというだけで十分すごいチャレンジだと思っていたぐらいです」

──その後、平林さんは通販チームを皮切りにさまざまな部署を経験していくわけですね。

平林「通販に慣れてきたタイミングで商品管理部門の責任者となり、人事、メディアと兼任が増えていきました。それにつれて自分がすべてのチームを全力で引っ張ることは難しくなっていきました」

──とは言っても複数の責任者やチームを兼任されていますが、コツのようなものはありますか?

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平林「重要なのは実務をほかの人に降ろすことと、そのための体制作りです。多くの人が通る道だとは思いますが、仕事って極端になりがちなんですよね。1から10まで全部自分でこなすか、100%放り投げるかのどちらかに」

平林「ちょうど商品管理部門へ移る際に、仕事をやりやすくする体制作りのために、店舗スタッフから1人引き抜いていたんです。実際に自分の業務が増えていくなかで、引き抜いた人を筆頭に頼れる部下が多く、安心して仕事を任せることができました。商品管理で仕事を任せる必要性と、人材登用の重要性を初めて学びました」

マジック:ザ・ギャザリングとの出会い

──マジック:ザ・ギャザリングとのかかわり方についてお尋ねします。平林さんといえば世界大会へ出場したこともある強豪と認識しています。いつ頃からマジック:ザ・ギャザリングと関わっていましたか?

平林「始めたのは高校生1年くらいからですね。そこからハマって、多少時間の増減はあれど2010年くらいまでは世界大会へ参加し続けていました。ここ10年ぐらいはほどほどの付き合いです。改めて振り返るとだいぶ長いな」

──マジック:ザ・ギャザリングを通して学んだことや今の仕事に活きている部分はありますか?

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平林「学んだこととしては、上の世代が下の世代を育てることですね。自分が若い時分に中村 聡さん(※)に大変お世話になりました。生意気だった自分の面倒を見てくれて色々と指南してくださいましたし、世界大会へも連れてってくれたんです。中村さんという素晴らしい先輩と出会ったことで、上の世代が下を育てることが打算抜きにやれないとコミュニティや文化は続いていかないんだなと実感しました。これは仕事にも共通することですね」

平林「ほかにも論理的思考や相手の心理を読むところ、大局観、コミュニティ関連など、マジックでの経験は仕事に120%活きています」

(編集者注:マジック黎明期から活躍していたレジェンド。現・遊宝洞代表取締役)

明日を作る

──平林さんは仕事のどんなところにやりがいを感じていますか?

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平林「今は晴れる屋2へ大きく関わってるんですが、刺激の多い毎日です。晴れる屋の応用で対処できることもあれば、まったく違った対応することもあったりと、新鮮なことばかり。事業としても新しいメンバーと取り組んでいる点も刺激多く、充実した日々を過ごしています」

――平林さんが実現したい目標について教えてください。

平林「単刀直入に言えば、ゲームに関わる人を幸せにしたいということですね。ゲームを遊ぶ人が幸せなのは当然として、それを生業にしている自分たちも幸せじゃなきゃダメですよね。昨今のe-sports文化の隆盛などでゲーム業界の地位は向上しているものの、『でも』の感覚はあるはずです。ゲーム文化自体も、それを下支えする人たちも、双方に地位を向上していく必要があります」

平林「会社としては商売がメインですが、同じくらい関わるスタッフも大切だと思っています。晴れる屋はマジック:ザ・ギャザリングが好き好きでしょうがない人たちが集まった会社なのですから」

――最後になりますが、晴れる屋へ興味を持った方へメッセージをお願い致します。

平林「好きなことを仕事にするのは賛否両論ありますが、長い人生において一度くらいはチャレンジしてみるのも“有り”だと考えています。好きだからこそ仕事にしないという考えはわかりますが、本当にそうでしょうか?好きを掘り下げて仕事にできるのならば、それは幸せだと思います」

平林「それと、これは仕事に限りませんが、主体的にやりたいことや目標、現状に対する不満があることは重要だと思います。目標があり、それを叶える力もあるのが理想ですが、何事もゴールがなくては始まりません。晴れる屋はチャレンジ精神あふれる方をお待ちしています

――平林さん、ありがとうございました。