6月22日 東西モダン最強決定戦

7月7日 コマンドフェスト・東京2024

このたび晴れる屋は、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト(以下:ウィザーズ)と連携して大きなイベントを2つ開催しました。

『東西モダン最強決定戦』はTC東京・TC大阪でダブル開催し約400名が、『コマンドフェスト・東京2024』は浅草の開場に540名が集まるなど大盛況で終えました。

こうしたイベントの成功の裏にはひとりのキーマンがいます。

それが本企画責任者のひとり、末光真規(すえみつまなみ)さん。(画像右)

今回のインタビューでは大きな企画を円滑に進めるコツや、自身のリーダー像を末光さんに聞いてみました。

子供のころからMTGの広報

――自己紹介をお願いします。

顧客戦略チームとデザインチームの責任者をしています、末光真規と申します。
2021年8月に晴れる屋へ入社し、2022年9月にデザインチームの責任者に就任しました。
2023年10月には顧客戦略チームの責任者となり、現在は両チームの責任者を兼任しています。

――顧客戦略チーム、デザインチームはそれぞれどんなことをする部署なのでしょうか?

まず顧客戦略チームは一言でいうと、晴れる屋を利用してくれるお客様を戦略的に増やすための部署です。
以前あったマーケティングチーム、広報チーム、メディアチームの3チームがひとつになって誕生しました。
業務自体は変わらず3つにわかれています。それぞれを説明すると――

マーケティング部門:晴れる屋を利用してくれているお客様はもちろん、晴れる屋を知らない方、カードゲーム業界以外の方にも認知されるような取り組みをおこなう
広報部門:晴れる屋の取り組みや魅力を伝えるための記事の発信、SNSを活用した広報活動などを通して「晴れる屋」のブランドをもっと強固なものにするような活動をおこなう
メディア部門:マジック愛の強いスタッフが腕によりをかけて魅力的な記事を発信して、よりコアなファンに喜んでいただけるコンテンツ作りをおこなう

今回の大型イベントをはじめ、オタクカード選手権のようなSNS企画やコラボ商品の企画なども顧客戦略チームで実施することが多いです。

デザインチームはWebページや店舗に掲示されているPOP(売り場においてある広告や展示を目的としたもの)などを作成しています。
皆さんは晴れる屋のマスコットキャラクター「ハレルヤくん」をご存じでしょうか?
この「ハレルヤくん」をデザインしているのも私たちなんですよ。

他にもオリジナルサプライのデザインや晴れる屋通販サイトでのバナーやページのデザインなど、皆様の目に入るものを作るのがデザインチームです。

――実質4チーム分の代表を務めるのはかなり大変そうですね・・・!次に末光さんのMTGとの出会い、晴れる屋に入社するまでの経歴を教えてください。

MTGとの出会いは小学生くらいの頃で、兄から誘われて遊び始めたのがキッカケです。
小学生ながら熱心にプレイしていて、友達にデッキを渡して布教とかもしていましたね。
時期は『ミラディン』のあたり。親和デッキを使って無双していました(笑)
中学から高校までは続けてたんですが、周りにやる人がいなくなって離れました。

その後沖縄の大学に進学し、卒業後〜27歳くらいまでは「the sheep」というバンドでドラムをしていました。

――バンドマンだったんですね!

結構精力的に活動していましたよ。
東京事変の亀田誠治さんに楽曲をプロデュースしてもらって全国リリースしたこともあります。

――それはすごい!音楽はいつから始められたんですか?

大学に入ってからですね。
友達に歌がうまくて人として魅力的な人がいて、「歌うまいしバンドとかやればいいのに」って言ったら「俺1人ではやらないけどマー君(末光)と一緒ならやるよ」って。
元々バンドとか音楽が好きってわけじゃなかったけど、この友達を立てるためにやってみようと思いました。

成功したけど挫折したワンマンライブ

――バンドをやってきて思い出に残る出来事はありますか?

600人入るライブハウスでワンマンライブをやったことですね。
死ぬ気で集客を頑張って3〜400人くらい集まったのですが、嬉しい反面「これをコンスタントにやり続けないとバンドマンとして飯は食えないんだな……」と。
そう思った瞬間、ピキッとバンドを続ける気持ちは折れました。
その代わり長年のバンド活動を通して、メンタル的なたくましさは手に入れられたかなと思います。

バンドをやめたあとはソーシャルゲームの開発の会社にデザインのアルバイトで入社しました。
絵をかくのが子供のころから好きで、自分の中の想いとか考えを外に具現化したかったというのが大きな理由です。
ただソーシャルゲームの開発を続けるうちに義務感や働き疲れみたいなものを感じるようになり、「改めて自分は何が好きなんだろう」って考えるようになりました。
そんなときに思い出したのが子供のころ大好きだったMTGでした。

せっかくなのでなにかMTG関連でデザインの仕事ができないか探していたところ、「晴れる屋」のデザインチーム募集を見つけて応募し、採用に至りました。

カリスマにあこがれたリーダー

――デザインチームと顧客戦略の2つの部署の責任者である末光さんですが、何人くらい部下がいるのでしょうか?

顧客戦略7人、デザインが4人です。

――責任者として部下と接するとき気を付けていることはありますか?

プライベートの自分は自他ともに甘いので……あえて心を鬼にして指導しています。

みんな同じ趣味を持つ仲間ですからついサークル活動や学校の延長みたいな空気になってしまうこともあります。皆がいい仕事をしてもらえるようにするためにはメリハリが大事ですから。

でも大体そういうことをするときは背伸びしていることが多いです(笑)

――そんな心優しきリーダーの末光さんが自分の強みだと思っている部分はありますか?

僕の場合は「調整力」ですね。

僕は自分のことを何かのスペシャリストではないと思っています。
デザインにおいてはお客様、クライアントに対して責任を果たすものを納品できていると思っているのですが、ぶっちぎって才能があったりアーティスティックなものを作れるレベルでもなく、顧客戦略で革新的なイベント企画ができるわけでもないんですよね。

その一方でいろんなスペシャリストを繋げて、大きな目標に向かっていくためにそれぞれの想いをすり合わせたり、全員の士気を上げたりなどそういった意味での「調整力」は高いと思っています。

強烈なカリスマ・リーダーシップで「俺についてこい!」と引っ張っていくリーダーではありませんが、現場で全員に寄り添って温度感・足並みをそろえてやっていくタイプのリーダーなのかなと。
……でも本当はカリスマ性のある人間になりたかった(笑)

――リーダーとしてチームを調整するときに気を付けていることはありますか?

思いをくみ取るための対話を大事にしています。
「晴れる屋」はカードゲーマーが集まる会社なので、ロジックを組み立てるのが上手い頭のいいスタッフが多いです。

しかしスタッフも人間なので、それを言語化したりコミュニケーションをとっていく中で、キツい言い方をしてしまったり伝え方を間違えて、「本当に伝えたいこと・思い」が伝わらなかったりします。
この「本当に伝えたいこと・思い」をくみ取ることがすごく大事だと考えています。

表面上は本人が意図していなかった言葉であっても、その言葉の裏には会社やチームを大切に思う心が隠されています。
だからこそどういう意図で言ってくれたのか対話を通して聞き出して、すれ違いを防いだりコミュニケーションを円滑にしています。

イベント未経験の責任者

――そんな末光さんだからこそ東西モダンやコマンドフェストの責任者に抜擢されたと思うのですが、イベントを任されたときはどう思いましたか?

公式が関わるイベントだったのでいわゆる「使命感」を感じました。
会社の信用を背負っているという部分と、お客様に満足してもらうコンテンツを作るという使命感ですね。
ただ今までイベントの中の人として立ち回った経験がなく、「どこまでやり切れるかな」という不安もありました。

――初めてのイベントの仕事が責任者ですか?!

そうなんですよ!
でも未経験で音楽を始められたように、やったことないこともできると信じて、やり切りました。

――末光さんはイベントの中でどの部分を担当されていましたか?

主にプロモーション周りの企画設計とスケジュールの調整をやっていました。
特に今回は社内だけでなく、ウィザーズの方、外部会場の方、海外のサプライメーカーの方など社外の方とも交渉することが多く……。

――開催するまでが大変だったんですね。

そのなかでも一番大変だったのは最初の情報リリースでした。
各所との交渉はあるのですが、その前に情報の精査、仕様の確定、公開日の策定など「自分が決めなければいけない」という責任感と、決めるにあたって求められる根拠を悶々と考えるのが大変でした。

――そんな東西モダン・コマフェスを通してやってよかったと思えた瞬間はありますか。

実際にお客様が来場して満席になったところを見ると「おぉ……やったった……!」という気持ちになりましたね。
東西モダンは少しピリッとした”競技ならではのいい雰囲気”で、コマンドフェストはプレイヤーが席について談笑したり統率者を見せあう”和気あいあいとした雰囲気”を感じました。
どちらのイベントも、みんなこの場を楽しみに来てくれているんだなと。

両イベントとも運営として、誰かの「楽しみ」に関与できたという達成感を感じてやっててよかったと感じました。

――東西モダンもコマフェスも大盛り上がりのイベントでしたが、点数をつけるなら何点でしょうか?

正直に言うと「50点」です。圧倒的にノウハウが足りていませんでした。
スケジュールや内容を固めていくときに「迷い・悩み」が生まれる瞬間が非常に多かったです。
その結果対応が後手に後手に回ってしまい、コンテンツの量や質に影響が出てしまいました。

「もっと内容で楽しませることができたのに」「もっとアートをふんだんに使って世界観に没入させたりとかできたのに」という後悔が強いですね。参加してくれた皆様には申し訳なく思っています。

ただ今回の反省を活かして、次はもっと楽しんでもらえるイベントにできる自信があります!そういう意味では伸びしろを感じたポジティブな50点でもあります。

初心者・カードゲーム未経験がターゲット

――末光さんはこれから晴れる屋・MTGを盛り上げていくうえでどういった取り組みが必要だと思いますか?

MTG、カードゲームを知らない、まだやったことがない人をどうやって引き付けて取り込むか。
これは晴れる屋の長年の課題であり、私たち顧客戦略チームが特に解決しなければならない課題でもあると思います。
頭と体を総動員し、あらゆるものを活用して魅力的なイベントを企画していきたいですね。

――これから末光さんがやりたいと思うイベントはありますか?

公式と連携した大型企画、大型大会は引き続き取り組みつつ、一方で初めてカードに触る人、初心者に向けた体験会の亜種のような企画もやりたいと考えています。

これは初心者向けではないんですが、以前リゾート施設を借りてMTGをプレイするイベントがありました。

このような「MTG+α」の楽しい空気感を味わえるようなイベントであれば初心者の方も気兼ねなく楽しめるだろうし、やる価値はあると思います。

あとイベントとは全然関係ないけど「ハレルヤくん」の着ぐるみは作ってみたいです(笑)
着ぐるみ作ってイベントで出せれば写真を撮ってもらえたりとか「晴れる屋」が広まるキッカケになるはず!

パッションがある人材を待っている

――それでは最後に晴れる屋で働いてみたいと思っている方へメッセージをお願いします。

先ほども言った通り、晴れる屋は今「より多くの人にMTGを知ってもらうにはどうすればいいか」という課題に直面しています。
過去にすごい経歴を持っていたり、何かのスペシャリストだったり、強烈なカリスマ・リーダーシップがなくても大丈夫。

「俺もカードゲームを盛り上げたいんだ!」という熱いパッションを持った人を待っています!