晴れる屋は2023年1月に24店舗目となる金沢店を出店しました。

2021年に3年で100店舗47都道府県出店を目標に掲げ、それまで12店舗しかなかった実店舗を2年で倍の24店舗に伸ばしました。
3年という条件は残念ながら厳しいものの、目標に向けては着々と歩み続けています。

しかし、大きな課題も残されています。
今は比較的既存プレイヤーの多い地域に出店していますが、いずれはプレイヤー人口の少ない地方への出店が必要不可欠です。
前代表の齋藤は、「成功確率でいうと他の地域の方が高いけど、100店舗出店を考えるとあえて厳しめの都道府県を試したい」と甲府への出店を決めました。
現代表である岩田も、就任インタビューの中で「(100店舗出店への)歩みは止めない。いずれ47都道府県100店舗出店を実現させる」と語っています。

地方の過疎化が叫ばれる今、なぜ地方への出店を進めるのか。
どんな勝算を立てているのか。どんな未来を思い描いているのか。

岩田代表に改めて今後の出店計画とその思いを聞いてみました。

――晴れる屋が100店舗47都道府県出店を目標に掲げて、まもなく3分の2が過ぎようとしています。今の率直な気持ちを教えてください。

さすがに3年で100店舗は現実的ではありませんでしたね。
47都道府県出店については、金沢店出店で……19都道府県。うーん、先は長そうだな……。

――100店舗出店が難しい要因はどのように分析されていますか?

ネックになったのは、場所と人員
特に場所については幅広く探しているものの、カードショップ向きの物件は中々見つかりませんね。見つかってもすでに埋まってしまっていることもよくあります。

ただ、今までは都市圏の駅から徒歩圏内の場所を探していたんですが、今回出店する金沢店は都市圏から少し離れたイオン金沢店さんに出店します。
イオンさんは全国に展開されているので、もし金沢店のような都市近郊の店舗が受け入れられるのであれば、今後さらに地方への出店を進められると見込んでいます。

あえて地方に店舗を出店する理由とは

――今まではマジックプレイヤーが多い地域に出店していましたが、さらに地方への出店を進めるとなると利益的にかなり厳しいのではないかと思います。店舗拡大路線は諦めて既存店舗の運営に力を入れるという選択肢はありますか。

ない”ですね。47都道府県出店の方針は今も変わりません。
そもそも新規エリアへの出店は非常に大きなメリットがあります。
もし新しい県に晴れる屋が出店したとして、その県の通販売上ってどうなると思いますか?

――普通は下がりますよね。新しく店舗ができると今まで通販しか選択肢になかった人が店で買い物をするようになるから……。

私たちもそのように考えていました。
“通販売上が落ちた分はしっかり店舗で賄えばいい”。そんな思いで大阪に初出店したのが2016年のこと。それから2017年には福岡、札幌にも出店したんですが、1年ほど経過して分析してみると、実際は真逆の結果でした。
出店したエリアの通販売上は下がるどころかむしろ上がっていたんです。

――店舗の売上が全然ダメ……というわけではないですよね。

もちろん店舗は店舗でしっかり売上を伸ばしています。
そのうえで通販も出店した多くのエリアが10%~30%ほど売上を伸ばしています

――とても意外な結果でした。売上が伸びた要因はどのように分析されていますか?

様々な要因がありますが、晴れる屋が出店することでそのエリアの新規プレイヤーが増えているというのは間違いなくあると思います。
昔マジックで遊んでいたけど近くにカードショップがなくてやめてしまった人が、晴れる屋ができたことをきっかけに再開した、という声もよく聞きます。
「遊べる場所がある」というのは趣味の世界においてとても大事なことなのだと、出店するにあたり再認識しました。

ただし、やみくもに出店ペースを上げてもお客様がいなければすぐに潰れてしまいます。
だからこそ最初は、プレイヤーが比較的多いエリアに出店し少しずつ新規層を増やすことによって、また次のエリアへの出店につながっていきます。

今回金沢店を出店する石川県も、正直プレイヤー人口が多いエリアではありません。
しかし、金沢店を出店することによって周辺の福井や富山エリアのプレイヤーが増えれば、福井店、富山店も出店しやすくなります。

代表が思い描く”これからのマジック”

――出店することでプレイヤーが増え、プレイヤーが増えることで売上も伸び、また次の出店につながる……。とても良い流れだと思います。その一方でマジック業界がさらに盛り上がらなければその流れも途切れてしまいますが、岩田代表は今後も新規プレイヤーは増え続けると思いますか。

増え続けるでしょう。
一部ではカードの価格が上昇して新規が始めづらいと言われていますが、入口自体はしっかり用意されています。
まず無料の体験会制度がありますし、トーナメントでも戦えるチャレンジャーデッキも用意されています。ジャンプスタートも入口としては最適です。

少し前まではスタンダードが入口でしたが、最近はパイオニアから始める人もいれば統率者から始める人もいます。
なるべくカードにお金をかけずにマジックを楽しみたい人にはMTGアリーナという選択肢もあります。

これらはあくまで一例で、無数の楽しみ方は用意されているというのは他のカードゲームではあまり見られないマジックの特徴だと思います。

一方でどれだけ入口が用意されていても、知られなければ意味がありません。
そこで晴れる屋が皆さんに知ってもらう役割を担えればと、いろいろ努力しています。

――毎日開催の初心者体験会や晴れる屋チャンネル、晴れる屋記事などの活動はその一端というわけですね。

そうですね。特に晴れる屋チャンネルは新規層、カジュアル層にもマジックの楽しさが伝わるようなコンテンツを意識して動画を作ってもらっています。
こうした活動を続けることでたくさんプレイヤーが増えて、ゆくゆくはマジックが囲碁将棋みたいにメジャーな文化になってほしいと個人的には思っています。テレビをつけたら毎週マジックの番組がやってるみたいな(笑)

――そのためには私たちも、もっと頑張らないといけないですね!では最後に、晴れる屋をご利用いただいている皆様に向けて一言をお願いします。

マジックはコミュニケーションゲームであり、店舗は一緒に楽しめる仲間を増やす場所です。晴れる屋はこれからも店舗運営に努めますので、ぜひ来店して仲間を増やしてください。

――ありがとうございました。

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