現在、全国に20店舗の系列店を展開し、総勢500人以上のスタッフが働いている株式会社晴れる屋。様々な人材が働く中、夫婦で共に晴れる屋で働いている人たちもいます。
今回のインタビューでは、荒木洋平さんと荒木美緒さんのお二人にお話を伺いました。
アルバイトから社員へ
──まず、お二人の晴れる屋でのキャリアと現在担当している業務を教えてください。
洋平「最初はアルバイトとして入りました。イベント担当として店舗で働いて、社員になった後は社長秘書として経験を積んでいきましたね。その後晴れる屋福岡のオープニングスタッフやトーナメントセンター東京(以下TC東京)の店長を経て、人事労務専任になりました」
美緒「私もTC東京の店舗スタッフとしてアルバイトから入りました。福岡店のスタッフも経験し、現在は社員になって総務経理を担当しています」
洋平「現在は晴れる屋本社で主に人事労務を担当しています。スタッフ採用面接や、面談でスタッフの悩みなどを解決する相談役なども仕事のうちですね。グランプリ(※)が行われていた時は、ブース運営をやったり、アーティストのサイン会で隣に立って英語対応やアーティストのサポートをしていました。また、晴れる屋のオリジナルサプライのデザインをアーティストに依頼する時の取次もしています」
(編集者注:グランプリ(以下GP)とは、誰でも参加できるマジックの大規模イベントの一つ。賞金の出る大会や、企業物販やアーティストのサイン会等、様々なユーザーが楽しめるようになっている)
美緒「晴れる屋本社で総務・経理業務を担当しています。備品の発注業務の管理や、お金の管理が主な仕事です。総務・経理は晴れる屋の店舗数増加に伴って仕事量が増えていきますので、最近は業務効率を上げる取り組みを進めています。また、GPで晴れる屋のブース出展があるときは販売スタッフをやったりもしました」
──グランプリといえば、お二人が結婚されたのはGP千葉2015でしたね。
洋平「そうですね。たまたま縁があって、会場で結婚式を挙げられることになりまして。お互い付き合い始めて半年くらいだったんですけど、こんなにメモリアルな場で式を挙げられるなんて、そんな貴重な機会はないと思い、二つ返事で立候補しました」
美緒「当時は本当に驚きました。急にこの人(洋平さん)から「GPで結婚式できるんだって。面白いからそこで結婚しよう」なんて電話がかかってきたんです。挙式の当日も、洋平はGPの統括だったので直前まで会場を飛び回っていました。他にも挙式イベントの時間がトーナメントと時間が被ってしまったり、地震が起きたり……色々なトラブルもありましたが、今となっては良い思い出です。夫婦で同じ職場だと、お互い自然体で仕事にあたれますし、職場の話題や相談もシームレスに行えて便利ですね」
“好き”を仕事に
──晴れる屋で働こうとなったきっかけは何でしたか?
洋平「きっかけはトモハッピー(晴れる屋社長 齋藤友晴)ですね。晴れる屋に入る前は塾講師をやっていました。多忙な日々の中で、以前より趣味のマジックで繋がりのあった彼に勧誘され、どうせ働くなら自分の好きなことを仕事にしたいと一念発起し晴れる屋で働くことにしました」
美緒「教職員をやっていたんですが、任用だったので任期が終わると次の仕事を探す必要がありました。そんな時、当時から一緒だった洋平に晴れる屋で働いてみないか、と誘われたんです。マジックは趣味の一つでもあったので、そのまま晴れる屋に入ることを決めました」
──ありがとうございます。これから晴れる屋で“やりたいこと”はありますか?
洋平「大前提として、“マジックプレイヤーをハッピーにしたい”という意識は常に持っています。世に人をハッピーにする仕事は数ありますが、ピンポイントでマジックプレイヤーをハッピーにする仕事はほとんどありませんから」
美緒「マジックプレイヤーをハッピーにする、という視点で行くとスタッフもマジックプレイヤーの人が多いので、スタッフがより働きやすい環境を作って行きたいです」
洋平「後はやりたいことというより、やれていないことになるのですが……マジックって、プレイヤーを増やすのがすごく難しいんですよ。ルールを説明して、覚えてもらうまではそこまで難しくないのですが、そこからデッキを手に入れて他の人とプレイするまでのハードルが高いと感じています」
美緒「いきなり高いカードを買ったり、お店でプレイするのはハードルが高いです。そういう意味では、MTGアリーナが出てきたのは大きいと思います。家でもマジックを遊べますし、アリーナでマジックに触れてみて、スタンダード以外も遊んでみたくなったら、実物のカードに手を出すといった段階を踏めますから」
洋平「シールド戦などのリミテッドから入ってみるのも良いと思います。初心者体験会でルールを覚えた後にプレリリースに参加するのが、私のおすすめですね」
美緒「プレイするだけがマジックではないと思います。私もそうですが、マジック特有の素晴らしいアートや重厚な背景ストーリーが好きという人は少なくないです。カードはよく分からないけどイラストが好きという人にも、よりマジックに触れてもらい、好きになってもらいたいですね。私自身も拡張アートを作成していますし、プレイ以外のマジックも好きなので、拡張アートの作成講座とかも開けたら面白いかもしれません」
“今”を全力で
──最後に、晴れる屋へ興味を持った方へメッセージをお願い致します。
洋平「先人の言葉をお借りする形になりますが、『点と点は後で繋がり線になるが、将来を予想して点と点を繋げることはできない』。スティーブ・ジョブズの言葉です。10年前に、晴れる屋が今の規模になることを想像できた人はいなかったと思います。私自身にしてみても、塾講師をやっていた頃の経験が活きてGPで海外アーティストのサポートを受け持ったり、アーティストにサプライのデザイン依頼を取次したり、人生の経験が思いもよらぬ所で今の仕事に役立っています」
美緒「私も教職員からカード屋さんに転職するなんて、考えてもいませんでした。しかし、決して教員時代の経験は無駄になったわけではありません。総務・経理は晴れる屋の店舗数が増えれば増えるほど、比例して業務が増えます。そこで教員時代の“人に何かを教える”という経験は、業務効率を上げる取組みや、スタッフ教育関係のプロジェクトで活きてきています」
美緒「トレーディングカードという商材の関係上、どうしても女性スタッフは少ないです。ですが晴れる屋は、男女関係なくスタッフ同士の仲が良い方だと思います。女性スタッフ同士も交流が深く、休日には一緒にマジックの大会に出たり、コロナ前にはスイーツビュッフェに行く会を定期的に開いていたりしました。本社オフィスの一階下が晴れる屋TC東京なので、仕事上がりにすぐ遊べるのも魅力的ですね。マジックに少しでも興味の湧いた女性の方は、是非私と一緒に遊びに行きましょう!」
洋平「未来がどうなっているかは分かりませんが、何事にも挑戦して全力で取り組んでみて下さい。そうすれば、後々の人生できっと役に立つ時が来ます。晴れる屋も今まさに、そうした“挑戦”の真っ只中にあります。まずは今取り組んでいることに注力してみて、もしマジックやカードゲーム業界に興味が湧いてきたなら、晴れる屋がトレーディングカードゲーム業界を盛り上げていく軌跡の中に、一緒に飛び込んでみませんか」
──洋平さん、美緒さん、ありがとうございました。