■はじめに
かつてのようにテーブルトップの大会が復活し、プレイヤーズコンベンションなど大型イベントも開催されるようになりました。晴れる屋でも毎日のようにいくつも大会が行われており、たくさんのプレイヤーがマジックを楽しんでいます。
大会の主役はプレイヤーですが、多くのプレイヤーが円滑にかつ安全に大会を進行するには“ジャッジ”の存在が欠かせません。
ジャッジは膨大なマジックのルールに関する知識を持ち、対戦中にルールが分からなかったり、なにかトラブルが起きた場合はジャッジを呼ぶことでゲームを正しい方向に導いてくれます。
またルールについて詳しいだけではなく、イベントそのものの運営や進行にも携わる重要な役割を担っているのです。
では、そんな大会における影の立役者であるジャッジになるためには、どうすればよいのでしょうか?
■ジャッジになるためには?
2019年にジャッジアカデミー/Judge Academyという会社が設立。このジャッジアカデミーによりマジックジャッジの認定が制度化されました。ジャッジを目指すのであれば、まずはこちらへの登録が必要となります。
ジャッジには「ルールアドバイザー」「レベル1」「レベル2」「レベル3」の4段階に分かれており、まずはレベル1を目指すことから始まるでしょう。
■まずはレベル1ジャッジを目指そう!
ルールアドバイザーとレベル1のコースは、ジャッジアカデミーのアカウントを持っている人なら誰でも無料で受講することができます。
そもそもレベル1の前に「ルールアドバイザーってなに?」となった方もいるでしょう。
ルールアドバイザーとは、マジックの基本的なルールについて正しく理解している人に与えられる資格です。
たとえばターンのステップとフェイズがどうなっているか、戦闘フェイズでの正しい挙動や優先権についてなど、普段遊ぶうえで何気なく行っていることが、実はどういう仕組みなのかを理解する必要があります。
ルールアドバイザーの試験はゲームに関するルールのみで、トーナメントの運営やプレイヤーの問題に対処する方法については出てきません。
一方、レベル1ジャッジもルールアドバイザーと試験は同一ですがいくつか科目があり、ルールの科目だけ合格するとルールアドバイザー、裁定の科目とイベント進行方法の科目も合格するとレベル1認定テストを受けることができます(詳しくは後述)。
つまり、レベル1ジャッジは基本的なルールに加えて、FNMやプレリリースなど店舗レベルのイベントを運営するための十分な知識が求められるのです。分かりやすいところでいえば、「MTGコンパニオン」に大会のペアリングを送っているツールの使い方などでしょうか。
このようにレベル1ジャッジには、大会を円滑に運営し、プレイヤーに全力で楽しんでもらうためにどうすればいいかを考え行動する必要があるのです。
ということで、ジャッジとして店舗などで活動する場合は、まずレベル1ジャッジになることを目指しましょう。
■レベル1ジャッジになるまで
では、次に実際どうやってレベル1ジャッジになるのかを解説します。
まずはじめにジャッジアカデミーに登録しましょう。登録自体は無料で行うことができます。
登録後、「My Profile」を開くといくつかタブで項目が分かれており、そのなかの「Skill Tree」を選択します。
すると5つの項目が表示され、各項目ごとにコースが用意されています。
このうち「Core Competency」「Event Management」「Community Building」の3つが必修コースであり、これらをすべてクリアすると「Final Level 1 Exam」のレベル1認定テストを受けることができるのです。
…よし!必修コースが終わったから認定テスト受けるぞ!「MTG:レベル1テスト」を開いてみると…
「これはレベル1認定の最終テストです。メンバーシップを完了するには、L2ジャッジによる承認が必要です。」
ん?L2ジャッジによる承認が必要?
そう、レベル1認定テストを受けるにはレベル2ジャッジの承認が必要になるのです。
あなたが充分な知識・技量を持っているとレベル2ジャッジが判断した場合には、そのレベル2ジャッジがあなたに対するEndorsement(推薦文)を投稿することで、レベル1ジャッジになる権利を得ることができます。
ここが一番ハードルが高いかと思いますが、近隣店舗にレベル2ジャッジがいれば相談を持ちかけてみましょう。
そして、レベル2ジャッジから推薦文を受け取り、レベル1認定テストに合格するとレベル1ジャッジの資格を取得する権利が得られます。ただし、実際にレベル1ジャッジになるのは、ジャッジアカデミーに会費($75/年)の支払いを行ってからとなります(支払い方法はクレジットカード or Paypalのみです)。
また、認定ジャッジになると「ジャッジ褒賞」としてプロモカードが配られます。こちらは「ジャッジカンファレンス」というジャッジ同士が集まって行われる会議に参加することで受け取ることが可能です。ルールアドバイザーは会費を支払う必要はありませんが、認定ジャッジではないため、ジャッジの特典を受けることはできません。
■晴れる屋はジャッジへの道をサポート!
全国に24店舗を展開している晴れる屋には、ジャッジ資格を持ったスタッフがたくさんいます。
ジャッジ資格を取得できるようサポートもしており、2022年のレベル1ジャッジ合格者はなんと30名!2023年5月時点でレベル1が48名、レベル2が11名、レベル3が1名在籍中です。
また全国のジャッジスタッフをサポートするため、晴れる屋にはジャッジコミュニティがあります。レベル1ジャッジのなり方やルールの裁定で聞きたいこと、そのほかなにか質問があれば、気軽に相談することができます。
そして、正しく自信をもってジャッジ活動を行うには、実際にイベントにジャッジとして参加し、経験を積むことが不可欠です。
晴れる屋であれば大小さまざまなイベントが毎日開催されているので、たくさんの経験を積むことができ、すぐに業務に慣れることができるでしょう。
レベル1認定テストを受けるには、レベル2ジャッジの承認が必要ということでしたが、晴れる屋にはたくさんのレベル2ジャッジが在籍しているので、その点でも安心して認定までの道のりを歩むことができます。
■ジャッジになりたてのスタッフにインタビュー!
さて、ここまでどのようにしてジャッジになるのかについて説明してきました。
では、ここで実際にジャッジになったスタッフの声をお届けしたいと思います。
4月に晴れる屋名古屋店でレベル1ジャッジ資格を取得した河内 恭介さんにインタビューしました。
――レベル1ジャッジ認定おめでとうございます!まずジャッジを目指そうと思ったきっかけを教えてください。
河内:もともと知り合いにレベル2ジャッジがいまして、過去のジャッジコールの例や、MTGのルールの複雑さ(有名なところで種類別)などを聞いて興味深いと感じたからです。加えて、ジャッジ褒賞のカードに魅力的な物が多いので、それにも惹かれましたね。
――ジャッジを目指すにあたって、なにから始めましたか?
河内:さきほどの知り合いの方がJudge App(※)を始めるといいよ、と教えてくれたので手探りでやりはじめたのが最初です。その後晴れる屋に入社し、ジャッジアカデミーの存在を知りました。
(※ジャッジアカデミー設立以前のルールやジャッジについてのニュースなど、さまざまなトピックに関する情報が参照できるサイト。現在は廃止されている)
――レベル1ジャッジになるまでどれくらいかかりましたか?
河内:約半年です。しっかり時間を捻出できれば、1か月もかからずに取得できたのではないかと思います。
――短期集中すればそんなに早く取得できるんですね。ジャッジを目指す上で一番大変だったことを教えてください。
河内:やっぱり時間を捻出することでしたね。
――晴れる屋でジャッジを目指してみて、良かった点はなんですか?
河内:イベント担当スタッフとして経験を数多く積めたことと、レベル1ジャッジ試験合格後の承認が非常に楽だった点です。自分は使わなかったのですが、レベル1ジャッジまでの道筋や各コースの翻訳文などが用意されており、英語が苦手でも比較的楽に取得できるのではないでしょうか?
――これからジャッジを目指す方にアドバイスをお願いします。
河内:好奇心とやる気があればなんとでもなります!ジャッジアカデミーのページがほとんど英語だから尻込みしている方もいらっしゃるかもしれませんが、晴れる屋に入れば会社や先輩からのサポートが受けられます!ぜひ、晴れる屋に入ってジャッジを目指しましょう!
――河内さん、ありがとうございました!
■おわりに
多くのプレイヤーが安心してイベントに参加するためには欠かせない“ジャッジ”について紹介しました。
マジックのルールを学んで大会でジャッジしたい!運営・進行を務めてみたい!などジャッジを目指す方にとって参考になれば幸いです。
晴れる屋ではジャッジ志望される方を大歓迎しています!
ジャッジになるまでからその後までサポートしますので、興味のある方はぜひご応募ください!